2021/12/18

かなともの卒コン以降やや傷心気味だったが、これはヲタクならだれもが通る道であり、ハロヲタになって二、三年たってようやくその道を通っただけで、言い換えればヲタク経験値が上がったとも考えられる。とにもかくにもブルーな状態から立ち直ることができ、モーニング娘。武道館のライブビューイングを見て感動を覚え、ヲタクになったばかりのころの新鮮な気持ちを取り戻していた。この二つのライブビューイングを見る前にも続・花鳥風月とアンジュ武道館の二つの現場にも行っていたのだがそちらについては気が向いたら記事にしようかと思う。

 

東北在住の私にとって仙台で行われるライブは主な(ヲタ)活動現場である。そのため仙台GIGSで行われたMSMWについては今回のを含めると一応全通している。今回は移動等の疲労度と満足度を考慮して昼公演だけチケットをとった。

私は一応経済学専攻なのでその専門知をもってモデルを組むのならば、我々は限られた予算制約のもとでライブに行くにあたり、一回のライブから得る満足度(経済学的に言えば効用)を、ライブの消費と、移動や宿泊、食事等を含む現地での観光消費から得るとする。また、我々は予算をチケット代(を含むグッズ等のライブにかかわる費用)と移動等の遠征費用、現地での観光消費に充てるとする。ここで、消費支出におけるライブのチケット代は固定的な費用(今回はライブグッズに関する物販が無かったのでグッズ代は考慮しない)であり、それ以外の交通手段、宿泊費、食費、現地での観光消費は変動的、つまり変数であるとする。この変数の値が低ければ満足度(効用)が下がる。当たり前であるが予算が高ければ効用は増加する。満足度には精神的な満足度と疲労など身体的な満足度が含まれる。よって予算をケチる、もしくは宿泊費、移動費をケチれば満足度が下がり、そのマイナス分がライブの満足度を上回ることで、結果的に全体としての満足度がマイナスになることも大いにあり得るのである。

まぁ何が言いたいかというと色々込みでライブという非日常を楽しむわけで、何が我々に満足度を与え、何が我々の満足度をマイナスにするのかを頭に入れておくのは重要だよってことだ。

 

前々回、そして前回は田中れいな鈴木愛理石田亜佑美宮本佳林、ピンククレス(敬称略)とそうそうたるメンバーが出演したのでハロプロ現場にもまともに行っていなかった私でも行きたいと思ったし、実際すごいライブだった。このメンバーによるone two three、リゾナントブルー、ダンスでバコーン等は2021年のハイライトに入ってくる。あとは、あゆみんと鈴木愛理さんによるDISTANCEのパフォーマンスはすさまじかった(最大限の賛辞)。他にも田中れいなさんを生で見れたのは感動モンだったし、アイドルとして完璧だというのが感想。そして、上記のメンバーどの方も綺麗で美しくてかわいかった。

 

そして、今回だ。今回は、前々回、前回に引き続きの出演で、座長ポジを務める宮本佳林さん、本格的にソロ活動を始動した小片リサさん、今回初めて見るハロヲタにはまだまだ謎多きビタスイのお二方の合わせて四人のメンバーが出演する。ハロプロOGの2人は新譜のリリースが近かったのもあり、仙台に着いてからそれぞれのCDを購入、本当はライブ前に買って聴きこんでから行くべきなきもするけど、今回はそれでいい。

仙台はふらっと入れるような飲食店が牛タン屋以外は少ない。ある程度リサーチしとかないと昼時にはどこも行列になって選択肢がチェーン店しかなくなってくる。今回私はリサーチ不足で飲食店難民になりカフェでパンとコーヒーをいただき、ライブ会場へと発った。パンによる血糖値スパイクでウトウトしながら地下鉄に乗り、会場に着く。

会場ではCD販売を行っており、CDを買うと小片リサさんの直筆サイン入りポスターがもらえるらしく迷わず購入。この時点で結構テンション上がってたが今日のメインはこれからである。今回は二階席なしで一階席だけのようであった。そんなこんなでライブ開始の時刻になる。

 

一曲目は初恋サンライズ。次に初めてを経験中とつばき、juiceの曲が続きしょっぱなからぶちあがる。かりんちゃんが可愛すぎる。りさまるもかわいい。そしてビタスイの2人はキー局の女子アナ並みの美人だった。ステージ上には自分の人生では間違いなく相容れないような美人(歌もダンスも上手い)たちが歌って踊っている。私の頭の中の加藤浩次が「当り前じゃねぇからな!!この状況!!」と雄たけびを上げている。しかし、そんなことを考えている暇もないくらい最高なセットリストが続く。タンポポのカバー曲を二曲とそれぞれの持ち歌を一曲ずつ。かりんちゃんは生歌がすごい。表現力がすごい。りさまるはルビーの指輪のカバーでやはり名曲はスッと入ってくるなーという印象。彼女の湿っぽさや哀愁がこの歌に合ってるし、自分のものにしているなーと感じた。ビタスイの「だけど会いたい」はCMかなんかで耳にしたことがあるがちゃんと聞くのは今回が初めてだった。キロロや花花みたいな女性のデュエットソングという印象。

ここら辺から感じたのはペンライトを振って観ている人の方が少なかったことである。ライブが一通り終わってから、自分はなんだかんだ型にはまったヲタクスタイルでの鑑賞しかしていなかったなーと思った。振りコピ、地蔵、双眼鏡異常凝視等々鑑賞スタイルは様々であり、そこに多数派少数派はあれど、人に迷惑をかけない限り、良し悪しは存在しない。特に去年から始まった着席鑑賞スタイルでは、たいていの場合他の人に迷惑が掛かるような鑑賞スタイルはできないのでそれが顕著だった。

推しのサイリウムを振ってサビで振りコピをして…っていうのをやっていっぱしのヲタクだ、なんて思ってた。この型にはまった思考の何が悪いかというと、結局自分はステージ上のアイドルを求めているから観てるのか、アイドルのヲタクとしての自分を求めたいがために観ているのかが分からなくなってくるという点だ。前者が趣味における純粋な楽しみ方であり健全な心のあり方であるのに対し、後者はそうではないと思う。後者のような人々が結局のところ、趣味における純粋な楽しみ方を忘れ、次第にそれ以外の方向へと走っていくのではないかと思う。誹謗中傷や迷惑行為、そのほかにも承認欲求を満たしたいがために悪目立ちをしていく。後者の例の一つにカープ女子がある。というより○○女子としてメディア等に取り上げられるような人々はこぞってそうなのだ。つんく♂氏のインタビューで女性ファンをマーケットのターゲットにしてはいけないというのがあったが、カープ女子を例に挙げると氏の意見が容易に理解できるのではないだろうか。当時カープ女子だった人が今球場にどれだけいるのだろうか。考えるまでもない。あと、ここで話題にしているのは彼女らをマーケットのターゲットに位置付けて商売していくのはリスキーだよって話で、決して彼女らを揶揄しているわけではないことに注意しなければならない。

まぁそんなことを考えながら、いつもとはちょっと違う客席の光景によって自分のアイドルに対して、そして趣味というものの向き合い方について、改めて考える機会になった。

この間、千葉雅也という哲学者のの方のコラムを読んで、そこにあった印象深い話に、人間は自由を最も恐れている、なぜなら何でもできるという自由で可能性が無限大なところに放り出されると何をしたらいいのかわからず狂ってしまうからだ、というのがあった。それを考えると自分が型にはまっていたのは必然とも考えられる。何をやったらいいかわからないという人間にとって怖い状況を打開するため、何らかの型にはまることで安心を得る。それが、自分にとってのペンライトであり、振りコピであったりだったのかなと感じる。そういえば、暇と退屈の倫理学という名著にも、人間は慣れ親しんだ習慣化した生活、つまり、安定を求める一方で新たな刺激を求める生き物なのだという旨の記述を読んだ。そして、刺激を求める行動、つまり慣れていないことをする際にはたいてい不安になったり失敗することが多くそれがトラウマとなる、とも書いてあった。この話で一番重要なのは、人間がそういう生き物だということと、トラウマになろうがそれが悪いことではない、むしろみんなそれを経験しているしそれが普通であるのだということ。だから、それを恐れて慣れ親しんだルーチンしかしないと刺激を求める欲求はどうなっちゃう?…いい結果をもたらさないということは確実に言える。自分がある種習慣化していた型にはまった鑑賞スタイルをとり、不安から逃れ、失敗から遠ざかり、そこに疑問を持たずに過ごしていたのは仕方ないことだともいえる。だが、鑑賞スタイルは様々であり、多数派のやることを真似ることが自分にとって楽しいのか、そもそもアイドルのライブを純粋に楽しむことができていたのか、といった点について見つめ直すことができた。次行くライブはまた違った景色になっているはずだ。

 

ライブの話に戻ろう。今回は冬仕様のセットリストとなっており、ハロプロ史に名を刻む冬の名曲たちが一堂に揃った。印象に残ったので言うと、まず、かりんちゃんの寒いね。表現力がすごかったし、とにかく非の打ち所がない。中村俊輔の正確無比なFKのような、これを見るためにチケットをとるくらい価値がある、そんなパフォーマンスであった。ビタスイの君チャリ(こう略すのも初めて知ったくらいの知識)は思わず聴き入ってしまった。かりんちゃんとりさまるによる白いTokyoもかわいらしさ満点で最高だった。二人をバックダンサーに迎え、ビタスイ歌唱による悲しきヘブンは素晴らしかった。どこを観ればいいかわからない、目が足りないというぜいたくな悩み。結局セットリストの冬曲全部紹介することとなった。そんくらい最高だったってこと。

そしてライブは終盤へ。だが、ここからが一番盛り上がりがすごかった。まずは、ビタスイのインストール。この曲に対しては全くの無知であった。ロック調だからラベンダーの曲かな?と思ったが、帰ってから調べたらビタスイの曲でこういう曲もやるのか―と思った。次が伊達じゃないようちの人生は。かりんちゃんがこの曲をパフォーマンスしているのを生で見れてとても幸せだった。次がThis is 運命。この曲はすごい。めちゃくちゃ盛り上がる。そしてハッピークラッカー。アッパーで明るくて盛り上がる。ラストにMagic of Love。最高すぎた。やはり宮本佳林はすごい。圧巻のパフォーマンス。りさまるも自然と目が行ってしまった。ビタスイの2人も美しかったし、歌のうまさに圧倒された。特に最後のMagic of Loveの落ちサビのフェイクを田﨑あさひさんが担っていたのだが上手すぎて痺れた。あと彼女は生で見るととんでもない美人だった。こんな美人を見ていいのかと思うレベル。そんなこんなで非常に満足いくライブであった。地味に二階席がなかった分、彼女たちの目線が一階席に集中していたので表情をしっかり見れたのもうれしかった。

当初の予定通り昼公演後に会場から去る。帰路で、ライブの満足度と移動の疲労度を考慮して昼公演だけで十分楽しむことができたと自分の選択を褒めた。今まで当たり前のように2公演分のチケットを取っていたが、それが必ずしもいいわけではないという、よくよく考えればわかるようなことも今一度考えるきっかけとなった。経済学には限界効用逓減の法則というものがあり、分かりやすい例えがコーヒー一杯から得られる満足度(効用)は同じ1杯でも2杯目、3杯目と摂取量が増えていくごとに減っていくというものだ。ライブに関してはこれが絶対当てはまるわけではないが。そこらへんは自分の裁量で考えればいい。

 

ライブがあった日からもう1週間くらいたつところか、2人のCDを取り込み、バイト中にモーニング娘。がコラボしたAviotのワイヤレスイヤホンで聴く。りさまるのアルバムでいうと雨音はショパンの調べが好み。もともとビヨーンズのアツイのMVに影響されてから80'sの洋楽が好きなので、ニューウェーブらしさを感じさせるイントロアウトロのシンセサイザーがたまらない。歌詞も日本語の良さが存分に出てる含みのあって情緒あふれる詩的な歌詞でユーミンすげーなって感心。なによりりさまるの歌声と非常にマッチしている。初回盤についてるBlu-rayもこの曲がお気に入りでリピッてる。あと、原曲を歌うガゼボの1stのレコードを買って聴いていたりもする。かりんちゃんのシングルは三曲とも好き。アトロクライブでの彼女の生歌は上手すぎて興奮した。最高のライブだったし、楽しかった。とてもいい週末だった。また行きたい。